2013年12月7日(土)
第18回キッズ・ブック・スペース【プレゼントの絵本】を開催しました。
♪ひげじいさん/クリスマスバージョン♪や♪ろうそくぱっ♪などの手遊びを交えながら、クリスマスやプレゼントの絵本を楽しみました。
大人の時間の演題は、《心に残るおくりもの》でした。
アドベントカレンダーの説明や、赤松先生お得意のクリスマスのお話も。
友達を思いやるプレゼントのお話『しんせつなともだち』『ゆきのひのおくりもの』『くりすますのおくりもの』の読み比べもしました。
■親子の時間■
最初の絵本は『ねずみくんのプレゼント 』。
ねみちゃんの誕生日に、ねずみくんは大きな風船をあげました。
「これ、ぼくの気持ちだよ」と、とっても大きなねずみくんの気持ち。
りすさん、うさぎさん、ぶたさん、くまさん、ぞうさんがプレゼントをくれます。
その間に、ねずみくんの大きなプレゼントは・・・
みんなはプレゼントもらったことある?
お誕生日とか、クリスマスとか・・・
「電車もらった」
お誕生日に?
「サンタさんから」
へー、サンタさんから。
「お菓子」(2歳の女の子も参加します)
お菓子もらったんだ。
「児童館でもらってきたんだよ」(お兄ちゃんがフォローしてくれます)
おうちには、もうすぐサンタさん来るかな。
「お手紙書いた」
もう書いたの?
サンタさんの所は遠いから、早く出さなきゃね。
みんなは、ママとかパパとか誰かに「どうぞ」ってプレゼントあげたことある?
「あるある」
誰に?
「ママに」
何あげたの?そっと教えて。
「気持ち!」
気持ち?愛情いっぱいの気持ち?
大人だね~
寒くなってきたので、今度はあったか~いプレゼントのお話。
『もりのおくりもの3―あたたかいおくりもの』
あたたかいおくりもの―もりのおくりもの2 (日本傑作絵本シリーズ)
もうすぐクリスマス。
リス、ウサギ、イノシシ、ネズミ、タヌキの所に、森の木から葉っぱのお手紙が届きました。
「クリスマスプレゼントにセーターをあんでください」
みんな、毛糸をさがしたり、セーターをほどいたりして、セーターをあみました。
ところが、タヌキはあみものをしたことがありません・・・
さっき、みんなサンタさんにお手紙書いたと言ってたけど、今度はサンタさんの歌です。
最初は、みんなが知ってる♪トントントン♪から。
♪ひげじいさん♪
トントントントン ひげじいさん
トントントントン こぶじいさん
トントントントン てんぐさん
トントントントン めがねさん
トントントントン 手はうえに
キラキラキラキラ 手はおひざ
今度は、トントントンがクリスマスの歌に変わります。
最初は、手は上からね。
♪ひげじいさん クリスマスバージョン♪
キラキラキラキラ ほしのよる
リンリンリンリン ベルがなる
トントントントン トナカイさん
シューシューシューシュー そりをひく
そっとそっと サンタさん
みんなの ところへ プレゼント
「もらった!」
差し出した手からプレゼントを取ろうとする子ども達。
二度目は、歌や手遊びをするより、そのチャンスを待ち構える方に一生懸命でした。
『まどから★おくりもの 』
ヘリコプターの窓からサンタらしい顔が。
おくりものらしい袋を背負い、ねずみさんのおうちへ。
次の窓にはネコさんの顔が見えるけれど・・・
「何だこりゃあ」
サンタさん、みんなのこと間違えちゃってたね。
双子かと思ったら・・・
「風船!」
双子じゃなくて風船だったね。
二個もらってたけど、ちゃんと分けてあげて、みんなプレゼントをもらえたね。
赤い大きなクリスマスのローソクが出てきました。
みんな両方の人差し指出して、ローソクにします。
♪ろうそくぱっ♪
ろうそくぱっ
もひとつぱっ
あかりをともして クリスマス
ろうそくふっ
もひとつふっ
そらには きらきら おほしさま
この絵本のウサギさんも、クリスマスのローソク持ってるね。
最後は、くりすますのおくりもののお話。
『くりすますのおくりもの―ロシア民話より 』
くりすますのおくりもの―ロシア民話より (至光社国際版絵本)
雪が降るクリスマスの日。
おなかがすいたウサギは食べ物を探しに出かけました。
雪の中に2本のニンジンを見つけると、1本食べて考えました。
「雪の日は食べ物を見つけるのが大変だから、1本は誰かにあげよう」
ウサギは、ロバさんにあげることにしました・・・
■子どもの時間■
制作は、『小さなプレゼント』。
シールを貼ったり、絵を描いて箱を作っておくと・・・
いつもは制作に消極的な子が、今回は一番乗り。
やる気満々で待っていました。
用意されているのは、箱の中に、ツリーや雪だるまや飾りのシール。
ツリーと雪だるまを貼ったら、飾り付けをします。
空いている所には、好きな絵を描きます。
みんなが遊んでいる間に、お姉さん先生が、こんなかわいいプレゼントにしてくれました。
■大人の時間■
さっき読んだ『くりすますのおくりもの』とそっくりな絵本があります。
『ゆきのひのおくりもの』とテーマ絵本の『しんせつなともだち』。
三冊ともウサギが主役で、寒い冬の日に見つけた食べ物が余ったので、友達に分けてあげようとします。
『ゆきのひのおくりもの』
ゆきのひのおくりもの (パロル舎選「ペール・カストール」シリーズ)
おなかがすいたこうさぎは、家に何もないので、雪の中をでかけます。
食べ物を探していると、雪にうもれたニンジンを二本発見します。
一本食べ終わると、おなかがいっぱい。
こんなに寒くては、こうまくんも食べ物がないに違いない。
残ったニンジンは、こうまくんにあげることにしましたが・・・
『しんせつなともだち』
雪が降り積もった中、こうさぎは食べ物をさがしにでかけました。
カブを二つ見つけたこうさぎは、一つを食べ、一つはろばさんにあげることにしました。
ろばさんは留守だったので、カブを置いて帰りました・・・
『しんせつなともだち』と『ゆきのひのおくりもの』は、中国の絵本が元になっています。
そのため、絵の雰囲気もそっくりです。
『くりすますのおくりもの』はロシア民話となっていますが、お話の内容はそっくりです。
中国もロシアも大陸でつながっているので、元々は同じお話だったのではないでしょうか。
『くりすますのおくりもの』は、部屋にクリスマスの装飾があるところが、ほかの二冊と違うところです。
ウサギの部屋には、4本のローソクのアドベントクランツ。
ヒツジの部屋には、星の飾り。
ノロジカの部屋には、クリスマスリース。
よく見ると発見があるのも、絵本の面白いところですね。
三冊とも、余ったものは他人と分け合う、という日本人のおすそわけ的発想のお話ですね。
欲が深ければ、余った物は自分のために取っておくところですよね。
ウサギを始めどの動物も、次にいつ食べ物が手に入るかわからないのに、友達が困っているかもしれない、と気遣ってあげてしまいます。
義務であげる贈答品もあるでしょうが、お誕生日やクリスマスなどのおくりものは、選ぶ時間も楽しいですね。
「これをあげたら喜んでくれるかな」と相手の喜びそうなものを選ぶことも、相手への気遣いでしょう。
限られた予算の中で何を選ぶか考えるのも楽しいですし、手作りをしたり、買ったものにアイデアを加えるのも楽しいものです。
心があたたかくなるサプライズギフトの絵本もあります。
『きょうはなんのひ?』
まみこは、家の様々な場所に手紙を隠して学校に出かけます。
お母さんは、手紙のヒントをたどりながら、それを探していきます。
家の階段、ケーキの箱、傘立て、絵本の間、ぶたの貯金箱など。
10枚の手紙に隠された秘密は・・・
両親の結婚記念日に、かわいい手作りの贈り物をするだけでなく、お母さんに宝探しをさせるアイデアを考え、お父さんとのコミュニケーションもはかっています。
“気持ち”というのは究極のおくりものですが、同様に形のないおくりものもあります。
『わすれられないおくりもの』
大変物知りなアナグマは、困った時にはきっと助けてくれて、誰からも頼りにされていました。
そのアナグマが死んで、森のみんなが悲しみ、途方に暮れました。
みんなでアナグマの思い出を語り合ううちに、それぞれの得意なことは、みんなアナグマが教えてくれたことを思い出しました。
『あげる』
おかあさんの誕生日におくりものをあげたら、おかあさんは「嬉しいわ」と言って、ぎゅっと抱きしめてくれました。
おとうさんにおくりものをした時は、「ありがとう」って肩車をしてくれました。
小さな弟が嬉しくないものをくれたり、いたずらして怒りたくなることもあるけれど・・・
普段の生活の中から、誰かさんのために何かをしてあげる、という気持ちがあふれているお話です。
そういう気持ちは、周りの大人が自分にしてくれる体験によって身についていくんですね。
『めいわくなおくりもの』
プレゼントのふたをあけると、小さなかえるくんが。
大きなかえるくんは、小さなかえるくんにいじわるばかりします。
男の子と犬とカメは大きなかえるくんを怒りますが・・・
かえるくんの本の6冊目。字のない絵本です。
どのクラスにもいるような、いると騒がしいけれど、いないと物足りなくて淋しい存在のかえるくんです。
クリスマスの絵本も、おくりものにちなんだ絵本を選んでみました。
『クリスマスのおくりもの 』
世界中の子ども達におくりものを届けたサンタとトナカイが帰ってきました。
すっかりくたびれて、一頭のトナカイは気分が悪いと言います。
トナカイを休ませ、サンタも寝ようとして袋を見ると、まだ一つ残っていました。
ずっと遠くの山のてっぺんの小さな家に住んでいる子のおくりものでした。
トナカイは休ませたまま、サンタは袋をかつぐと、とことこ歩き始めました・・・
いろいろな人々に助けられながら、サンタは遠い山のてっぺんをめざします。
所々に画面いっぱいに描かれた風景が、とても美しい絵本です。
『聖夜のおくりもの 』
村人のために家を建ててきた大工のおじいさんが、自分の家を作ることに。
森からやってきたトナカイの子がおじいさんと仲良しになりました。
村人が手伝ってくれたり、差し入れをしてくれて、家は出来上がっていきます。
でも、クリスマスの準備が始まると・・・
素朴な村の、神聖な行事としてのクリスマスの準備風景が描かれています。
これは、サンタを信じなくなった小学生以上の子どもにしか読めない絵本ですが・・・
『サンタの最後のおくりもの 』
もうすぐクリスマス。ジュリアンは、まだサンタを信じているふりをします。
「サンタクロースなら、テレビゲームだってくれるに決まってるよね」
クリスマスの朝、希望通りのプレゼントをもらったジュリアン。
けれど、お父さんもお母さんも知らないプレゼントが一つありました。
小さな子向けの、木でできた蒸気機関車は、サンタクロースの落し物?
一年後のクリスマス、ジュリアンは悩んでいました。
サンタのことは信じていないと言いつつ、落し物を返すための手紙を書いて別れを告げるジュリアンがいじらしい。
これは、赤松家の今年のアドベントカレンダーです。
引き出しからお菓子を出したら、ひっくり返して戻すと、少しずつクリスマスツリーの絵ができてきます。
ジュリアンも食べていたアドベントカレンダーのチョコレートというのは、輸入食品店などで毎年いろいろな種類のものが売られています。
クリスマスの4回前の日曜日から、アドベントというクリスマスの準備期間が始まります。
アドベントカレンダーには、12月1日から始まっているものや、12月6日の聖ニコラウスの命日から始まっているものが多いようです。
24日または25日まで毎日一つずつ窓を開けて、中に入っているチョコレートを食べます。
アドベントについていろいろわかる絵本もあります。
『Xmas アドベント・ブック 』
クリスマスというのは、日本では、華やかなイルミネーションやサンタクロースのプレゼントなど、年末年始の行事とは切り離されたイベントになっています。
けれど、世界中には様々なクリスマスの過ごし方があります。
キリスト教の宗教的な儀式だけでなく、世界各国の古来からの冬至や年越しの行事が組み込まれて、年末年始の一大イベントとなっていることもあります。
お祭り騒ぎとは無縁で、家庭の中で静かに過ごすクリスマスもあります。
絵本では、いろいろなクリスマスを知ることができます。
おくりものの絵本にも、心があたたまるものがたくさんあります。
長いお話も多いので、毎日少しずつ読んであげると良いでしょう。
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