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2013年3月23日(土)2時~4時にキッズ・ブック・スペース【冒険の絵本】を開催しました。
1~9歳の子ども達とお母さんのほか、一般の方もご参加くださいました。
今回は、竜が出てきたり、ジャングルを探検するような異世界の大冒険ではなく、子どもが家族から離れたり、知らない場所に行ったり知らない人に出会う、日常の小さな“冒険”の絵本を中心に取り上げました。
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■親子の時間■
いつものように♪はじまるよ♪の歌で始まりました。
久しぶりの参加で先生といろいろおしゃべりをしたい子もいましたが、お話はあとでゆっくり聞くからね。
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最初の絵本は『ひよこさん』 。
ひよこが一人で歩いています。もうすぐ夜なのに。
暗くなって歩けなくなったひよこは、葉っぱをふとんにして寝てしまいました。
そのうち、なんだかとってもあったかくなってきました・・・
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ひよこちゃんは、お母さんに「おはよう」って言ってたけど、まだ寝てるひよこちゃんがいるみたい。
(ひよこのお母さんが出てきました)
「みなさん、こんにちは。わたしのひよこたちはお寝坊さんでまだ寝てるの。
みんなで起こしてくれる?」
どうやって起こしたらいいか知ってる?
「コケコッコー!」と大きな声で鳴いて教えてくれる子がいました。
「そう。コケコッコー!で起こすんだけど、うちの子たちは歌で起こしてほしいの」
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♪ととけっこう よがあけた まめでっぽう おきてきな♪
みんなで歌ってあげると、
「ピヨッ!」
一番お兄さんピヨちゃんが起きてきました。
「おはよう!」
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もう一度歌うと、
「ピヨッ!」
二番目のお兄さんピヨちゃんが起きてきました。
三番目、四番目のピヨちゃんが起きると、
「あと一人いるよ!」 と指摘する子が。
そうだね。まだチビピヨちゃんがいるね。
もう一度歌ってあげたけれど・・・
なかなか起きてきません。
♪おきてきな♪
もう一度大きな声で歌うと、やっと起きてきました。
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ここにもひよこちゃんが!
どこかにお出かけするみたいです。
ひよこのピーちゃんが野原をお散歩中。
どーこだ どこだ?
「葉っぱの下!」
どーこだ どこだ?
「あさがおの下!」
先生が手で隠しても、みんなすぐに答えてくれました。
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苺を見つけたピーちゃんが歩いていくと、たんぽぽがゆれています。
あれ?たんぽぽの陰にもひよこちゃんが。
何くわえてる?
「たんぽぽ!」
苺をくわえたピーちゃんとたんぽぽをくわえたピッピちゃん。
お母さんのところに戻ってくると・・・
かくれんぼの絵本はみんな大好きですね。
1歳の女の子も、夢中で見ていました。
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まだ寒い日もあるけれど、すっごく寒い冬よりはずい分あったかいよね。
手袋とか、マフラーとか、毛糸の帽子とか、もうしまったかな?
「おニ階にしまったの」
そう、お二階にしまったんだ。
暖かくなって、ここに来るまでにピンクのお花が咲いてたでしょう。
何の花か知ってる?
「サクラ!」
ピンポン!サクラだね。
キッズ・ブック・スペース当日、国立駅南口からまっすぐ伸びる大学通りは桜が満開でした。
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先生はこの前ワンちゃんのお散歩の時・・・
「なにちゃん?」
え?ワンちゃんの名前?ジロー君ていうんだけどね。
ジロー君とお散歩に行ったらね、地面からニョキッ、ニョキッ、ニョキッってツクシが生えてたの。
先生はツクシの押し花を見せてくれました。
昔、原っぱがあちらこちらに存在する頃は、春先にツクシを見かけました。 摘んで帰ると、ツクシご飯を作ってもらったりしました。
最近は道端で見かけることはないので、本物のツクシは久しぶりです。
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ツクシといえば、ツクシの歌、覚えているかな?
♪ずくぼんじょ ずくぼんじょ
ずっきんかぶってでてこらさい ♪
先生の両手の間から、ニョキニョキっとツクシが生えてきました。
何度も歌うとさらに伸びて、最後はスッポンと抜けました。
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今度は、みんながずくぼんじょ(ツクシ)になってみようか。
最初は、ちっちゃくなって。
(みんな小さくしゃがみました)
♪ずくぼんじょ ずくぼんじょ
ずっきんかぶってでてこらさい ♪
ニョキニョキっとみんな少し伸びました。
中には、中腰で踏ん張る男の子が。
大丈夫?倒れない?
もう一度歌うともう少し伸び、さらに歌うと思い切り伸びて大きくなりました。
最後は、先生が一人ずつスッポンと抜いて高く持ち上げ、みんな大喜び。
でも、一人だけ小さく固まって抜けない子が。
「ぼく、石だから」
えー、残念!先生、抜きたかったな~。
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犬のジロー君のお散歩で野原に行ったんだけどね、最初は誰もいなかったの。
誰か一緒に遊ぼう~
と呼ぶと、ブーブー。
誰が出てきたかな?
「ブター」
そう、こぶた君。
こぶた君が、友達を呼んでくるって。
誰かな?
「たぬき!」
そう、たぬき君だね。
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たぬき君も友達を呼んでくるって。
コン、コン。
「キツネか」
キツネ君が来たから、かくれんぼしようか?
もっと友達がいた方がいいんじゃない?
キツネ君も友達を呼んでくるって。
ニャオー、私も一緒に遊ぶ~
とやってきたのは・・・
「ネコだ」
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それじゃあ、みんなで遊ぼうか。
最初にいたお友達は?
「ブタ!」
♪こぶた たぬき きつね ねこ
こぶた たぬき きつね ねこ♪
野原にある小さな窓から、動物達が次々と出てきました。
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三匹のこぶたの兄弟、まきおと、はなこと、ぶんた。
毎日駆け回ったり、いたずらしたり、大騒ぎ。
困ったおとうさんとおかあさんは、保育園に通わせることにしました。
初めての保育園では、こぶたがいっぱいいることにびっくり。
みんなで朝のあいさつをしたり、体操をしていると、
「おかあちゃんがいない!」
と三匹は泣き出しました。
そこで先生は、
「みんなでかけっこをしましょう」
お友達は、並びながら三匹に声をかけます。
「ここがあいてるよ」
みんなと一緒に走り出した三匹は・・・
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明日はこの三匹、泣かないかな?
「泣いちゃうよ」
泣いちゃうかな。みんなも泣いたのかな?
「泣いてない」
「全然、昔から泣いてない」
あら~、昔から泣いてないの。
保育園や幼稚園は、多くの子どもが最初に直面する冒険ではないでしょうか。 知らない子どもや大人の中で、初めて家族と離れて長時間過ごさなければなりません。
年齢によっては、何ヶ月たっても親と離れがたく、つらい時間を過ごします。 親にとっても、べそをかく子を無理やり置いていくのは、後ろ髪を引かれる思いです。
親離れ・子離れの最初の一歩は、ジャングルに踏み出す時と同じくらい、思い切りと勇気が必要です。
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■子どもの時間■
作って遊ぼう!では、さっき♪こぶた たぬき きつね ねこ ♪と歌いながら遊んだ『くるくる絵皿』を作ります。
野原には好きな絵を描いて、動物に色を塗り、窓から顔を出すように等間隔に貼っていきます。
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みんな真剣に、好きな色で動物達の色を塗っています。
色を塗り終わったら、一匹ずつ切り分けて、窓の中に貼っていってね。
動物のお皿と野原のお皿ができたら、指導スタッフのお姉さんが二枚をピンで留めて、くるくる回るように仕上げてくれました。
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野原には何を描いたの?
「ツクシ!」
さっきの先生のお話や♪ずくぼんじょ♪の歌が印象に残っていたんですね。
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キッズ・ブック・スペースでは、絵本を読んでも、感想を聞いたり、理解を求めたりはしません。
みんなで絵本を楽しんだら、そのまま余韻を楽しんで終わります。
絵本や歌や手遊びなどの体験をインプットしたら、子ども達の中で熟成して、いつかいろいろな形でアウトプットしてくれるだろうと思っています。
制作は、その一つのきっかけです。受身の時間を過ごしたら、発散の時間も過ごしてほしいということから始めましたが、思いがけない子どもの発想に毎回感動させられます。
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■大人の時間■
「冒険~初めの一歩」というタイトルで、親離れ・子離れを中心に、日常生活の中の冒険のお話が始まりました。
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大人の時間のテーマ絵本は『こすずめのぼうけん』です。
子どもが小さい頃に読んであげて、子どもの方は覚えていないのに、親の方がウルッときて印象に残った絵本です。
キッズ・ブック・スペースを始める際にも、いつか絶対取り上げたいと思っており、やっと実現しました。
この本の話が出た時、赤松先生は幼稚園で読んであげると、何度読んでもウルッときて読めなくなる、と話していました。それでは、なおのこと読んでもらいたいと、楽しみにしていました。
今までのどの本よりも早くテーマ絵本に決まった本です。
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飛ぶことを覚えたばかりのこすずめは、空中に浮かんでいることに自信を持ち、お母さんに言われたところより遠くまで飛んでいきます。
「ぼく一人で、世界中を見てこられる」
と自信満々で広い世界に飛び出しました。
初めは飛ぶのが面白かったこすずめですが、少しずつ羽が痛くなり、頭が痛くなり、休みたくなってきました。
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カラスの巣を見つけたこすずめは尋ねます。
「中へ入って休ませていただいていいでしょうか?」
「おまえ、かあ、かあ、かあって言えるかね?」
「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり言えないんです」
するとカラスは、仲間じゃないから入れることはできないと断ります。
山鳩も、ふくろうも、鴨も、みんな仲間じゃないから入れてくれません。
暗くなって、こすずめは飛ぶことができなくなりました・・・
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この絵本は、イギリスのルース・エインズワースが書いたお話と、堀内誠一がイギリスの田園風景を忠実に再現した絵でできています。
鳥の巣なども、それぞれの鳥の特徴を表していて、巣のある高さも、だんだん低くなり、こすずめの飛んでいる高さを表現しています。
時間的経過も、空の色が少しずつ変わることで表現され、夕暮れが深まっていく時のこすずめの寂しさが伝わります。
一見地味な絵本なので、本屋さんに並んでいても、知らないと目に止まりません。
けれど、幼稚園で読んであげたお母さんの中には、偶然見つけて思わず買っちゃいました、という人もいるそうです。
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小さな子から十代位までの子にとっては、こすずめの立場からワクワク、ドキドキできる絵本です。
飛べるから行っちゃえ、とどんどん行きたくなってしまう気持ちや新しい世界に憧れる気持ち、暗くなって帰れなくなってどうしようという不安などに共感できるでしょう。
大人になって、特に親になると、親すずめの立場でキュッと胸がしめつけられます。
子どもが入園・入学など新しい世界に踏み出す時に、思い出してほしい絵本です。
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このこすずめのお母さんは、母親の理想像ですね。
言う事も聞かずに勝手にどこかに行ってしまった子どもを1日中探し回り、ようやく見つけたこすずめを優しく受け止め、背中に乗せて巣まで帰り、暖かく包み込んで安心させて寝させます。
これが現実だったら、「なに勝手なことしてるの」「疲れてたって自分のせいなんだから自分で飛びなさい」「こんなに遅くなっちゃって、さっさと寝なさい」と怒り心頭で小言の連発になるところです。
実際に真似するのは難しいのですが、子どもの不安な気持ちを思いやって怒りを鎮めるために、ちょっと心に留めておきたい母親像です。
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くまくんが、お母さんに見送られて一人ででかけます。
柵をくぐったり、砂山を乗り越えたり、橋(実はベンチ)を渡ったり、水たまりの中に入ったり、一人でなきゃ注意されるようなことをしながら進んで行きます。
塀をつたって進んでいくと、だんだん高くなってきて、降りられなくなりました・・・
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今では、小さな子が一人歩きをすることはあまりなくなりましたが、くまくんは一人で外を歩き回ります。
保育園・幼稚園では、最初に長時間家族と離れるという体験をするわけですが、それが初めての体験だとハードルが高すぎます。
トイレに行くから待っててね、ちょっと近所までお買い物に行ってくるからお留守番しててね、など少しずつ親から離れる訓練をしていくことで、いきなり高いハードルを越えるより楽に感じることができます。
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『こすずめのぼうけん』も『いってきまあす!』もそうですが、絵本のパターンには、行って帰ってくる、という形式があります。
特に冒険物語は、危険な目にあって怖い思いをしたけれど、最後には家や親の元に帰ってきて安心する、という形式です。
散々怖い目にあったのに、家に帰ったら安心できるから、また冒険に出られるのです。そして、失敗を繰り返しながらも外に出ていくことで、少しずつ成長していきます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=210x1024:format=jpg/path/s4471bbf543e9a9de/image/ica19d42222085a9f/version/1365245008/image.jpg)
『ちいさなねこ』は、50年間前に発行された絵本です。
家や町並みや車などの背景は時代がかっていますが、子ども達はちいさなねこの立場で見るので気にしません。
小さなネコが、一人で庭に降りて出かけます。
子どもにつかまりそうになったり、車に引かれそうになったり、犬においかけられたり。
高い木のてっぺんまでのぼって「にゃお!にゃお!」と鳴いても、犬が下にいて動けません。
おかあさんネコがその声をききつけて・・・
これも、最後はお母さんのおっぱいを飲んで安心した風景で終わります。
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着替えを手伝ったり、ご飯を食べさせようとするお母さんを拒絶して、何でも「自分でやる!」と言い張るちびろばくん。
自分で描いた絵をブタ君にあげに行く、と一人ででかけました。
サル君に出会ったり、ヤギ君が休ませてくれたり、モルモットさんが汚れた体を洗ってくれたりして、ようやくブタ君の家に着きました・・・
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このちびろば君のお母さんは心配性で、ページごとによ~く見ると見つかります。
ちょっとストーカー的なお母さんですが、ちびろば君が困っても決して手助けはしません。
それでも、最後はちびろば君を守ってあげていて、「いつだって一緒だよ」と安心させます。
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“行って帰ってくる”というパターンは、お話だけではありません。
赤ちゃんが喜ぶ“いないいないばあ”もそうです。
「いない いない」と言って手のひらで隠れた向こうには、大好きな家族がいることを赤ちゃんは知っています。
「ばあ!」と言って出てきた時、面白い顔をするから笑うのではありません。知ってる顔が出てきて安心するから笑うのです。
「いない いない」と言ってずっと隠れたままだとどうするでしょう?
赤ちゃんは、顔を隠している手をどかして、顔を確認して安心します。
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もう少し大きくなると“かくれんぼ”があります。
『どーこだどこだ』のように、明らかにすぐわかるような隠れ方でも、小さな子は喜びます。
小学生くらいになると、いかに見つからないように隠れるか、が重要になりますが、幼児は違います。早く見つけてほしいので、なかなか見つけてくれないと、わざとわかるように顔を出したりします。
このように、一旦見えなくなって、また出てくる、という遊びも、“行って帰ってくる”お話と同じように、子どもは大好きです。
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学校に入ったり、社会に出たり、結婚をしたり、人生には新しい世界に踏み出さなきゃならない場面がたくさんあります。
選択肢が10あれば10個全部試したい好奇心の強い子もいれば、仕方なく1個選んで、その世界で満足という子もいます。それは、それぞれの個性なので、親がどうこう言ったり、親の好みで生き方を決めることはできません。
自分で選んだ方法なら、失敗しても自分で責任を取るしかないのだから、好きなようにやれば良いのです。
失敗することで学べることも多いのだから、何もしないよりは、恐れずに失敗を繰り返すことで成長できます。
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親は、高級羽毛布団のように、軽くてわからないけれど充分に温かい愛情をかけると良いのではないでしょうか。
昔の重たい綿布団だと、愛されているのは実感できるけど、自由に身動きが取れません。
子どもは、親から大事にされていないと勘違いするかもしれないけれど、いざとなったら守ってくれる、という安心感があれば自由に動き回れます。
子どもにも個性がありますから、行動も生き方もそれぞれ違って当然です。
冒険好きな子には、自己責任とリスク管理を教えつつ、送り出すしかありません。
消極的な子は、親が無理やり押し出そうとしても無理です。その子なりの安全圏を少しずつ広げてあげて、興味を広げてあげるしかありません。大好きなものが見つかったら、突然思い切って飛び立つかもしれません。
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「うちの子は消極的なのですが、無理やり押し出すのはダメですか?」
という質問が出ました。
無理やり崖から突き落とすようなことして、何とか這い上がって来ても、二度とやるもんか、となっては逆効果です。また、無理やりやらせて、嫌々文句を言いながらやっても意味がありません。
新しいことにはすぐに興味が持てなくても、興味を引かれてやり始めると、じっくり取り組む子もいます。
何でもかんでもチョットだけ手をつけて、すぐにおしまい、と飽きてしまう子よりは良いでしょう。
しっかり説明した方が良いか、チラッと見せるのが良いか、隠しておいた方が良いか、それぞれの子によって興味を引く方法は違います。同じ子でも、成長によって変わることもあります。
その時の興味の持ち方などを見極めながら新しい世界を見せて、そこに入るかどうかは本人が決めるしかありません。
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赤松先生に読んでほしい本があると、絵本を持参して来た子がいました。
それでは最後に、リクエストにお応えしましょう。
ペンギンぬりたて
カレーを食べてカライオン
カンガエルー(考えているカンガルー)
わたしカバいい?・・・
動物とだじゃれを組み合わせた、読み聞かせるのはとても難しい絵本です。
それでも、面白おかしく読んでもらって、みんなで楽しみました。
リクエストした子も大満足。自分だけで読んでもおかしいけど、みんなで読むともっと面白いね。
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