〈5〉【おかあさん大好き!おとうさん大好き!】

2012年6月23日(土)2時~4時にキッズ・ブック・スペース【おかあさん大好き!おとうさん大好き!】を開催しました。
3歳以上が対象のクラスでしたが、1歳の赤ちゃんから小学3年生までの子と保護者の方に参加していただきました。

■親子の時間■

 

♪はじまるよったら はじまるよ♪の歌を歌いながら親子の時間が始まりました。

以前にも参加してくれたり、幼稚園・保育園で歌ったことのあるお友達は、すぐに指を出して、忍者さんやカニさんになってくれました。

 

こどものとも 年少版 2008年 04月号 [雑誌]

「こんにちは みんな!」

 

最初の読み聞かせ絵本は「こんにちは みんな!」

ママとお散歩に出かけた男の子が、出会うものみんなに「こんにちは!」と挨拶します。

「こんにちは ありさん!」「こんにちは ねこさん!」「こんにちは 車さん!」などなど。

最後はみんなが集まってる中で「こんにちは みんな!」

 

参加してくれた子も「こんにちは!」のご挨拶をしたいところですが、名前も知らない人とは「こんにちは ○○さん!」と言いにくいですね。

ということで、♪あ~なたのお名前は?♪の歌でみんなの名前を聞いていきます。

小さい子から小学生やお母さん、お父さんまで、みんな名前を教えてくれました。

「みんなは、朝、誰に起こされるのかな?」という質問に、「自分で起きる~」と言ったり、「自分で起きて全部自分でやるの」とおしゃべりを始める子もいます。

「みんな、えらいね~」と言ってもらいましたが、時には起きれないこともありますよね。

そんなときの絵本を歌いながら読んでもらいました。

 

ととけっこう よがあけた (わらべうたえほん)

 

いろんな動物がにわとりさんに起こされたのに、起きてこないお友達がいます。

みんなで♪ととけっこう よがあけた♪と歌いながら起こしてあげたのは、誰かな?

袋の中に隠れています。

「おサルだよ」「おサル!」

みんな言ってるけど、そうかな?

みんなで♪あ~なたのお名前は?♪と歌って聞いてみました。

「モンちゃんです!」

と大きな声で答えてくれました。

 

モンちゃんも一緒に、モンちゃんの仲間の絵本を読んでもらいます。

 

ぼくのママはどこ? (児童図書館・絵本の部屋)

 

迷子になったおサルの子どもが、チョウチョウのおじさんとママを探します。

でも、チョウチョウのおじさんが探してくるのは、ゾウさんとかオウムさんとかカエルさんとか、おサルとはまったく違う動物ばかり。

「みんなちっともぼくに似てないよ」とおサルの子が言うと、

「君のママが君に似てるなんて、聞いてなかったよ」とチョウチョウのおじさんは言いました。

何故でしょう?

 

小さい子にはわからないかもしれませんが、小学生やおとうさんやおかあさんは、ああ、と思ってニンマリする絵本です。

みんなも迷子にならないように、おとうさんやおかあさんを探しにいきましょう。

 

♪とうさんゆび どこでしょ ここよ ここよ

♪ご機嫌いかが ありがと元気です

♪ではまた さようなら

 

かあさんゆび、にいさんゆび、ねえさんゆび、赤ちゃんゆびと、途中1本だけ出すのが大変は指もありますが、みんなできたかな?

「みんな、抱っこは好きかな?」と聞かれて、小学生のお兄ちゃんは照れて「嫌い」とか言うけれど、そんなことないでしょう。

みんな、抱っこされて悪い気分はしないはず。

 

「だっこ だっこ だーいすき」

 

おサルの赤ちゃんが、お父さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、おばあちゃん、お母さんと、みんなに抱っこしてもらいます。

最後は、みんなつながって長~い抱っこ。

 

今度は、みんなも抱っこしてもらいましょう。

お母さんやお父さんだけじゃなく、スタッフのお姉さんにも抱っこしてもらいます。

 

向かい合って抱っこしてもらって、にらめっこをしましょう。

♪だるまさん、だるまさん、にらめっこしましょ、あっぷっぷー♪で先に笑った方が負け!

勝った人は負けた人に♪いっぽんばし、こーちょこちょ♪をします。

勝っても負けてもみんな大はしゃぎでした。

 

今度は絵本の「にらめっこしましょ」

 

ウサギやネコや金魚などがあっぷっぷーとします。

みんなも一緒に「あっぷっぷー」と言ってくれます。

ブタのあっぷっぷーにはみんな大笑いでした。

おとうさん あそぼう (くまくんの絵本)

 

今度は、絵本を見ながら一緒に遊びます。

おとうさん、おかあさん、スタッフのお姉さんが、くまくんのおとうさんの役をします。

足の上に乗って歩いたり、高い高いしたり、お馬になったり、足の上に乗って飛行機のように飛んでみたり。

小3のお兄ちゃんは、年長さんの妹をおんぶしたり、背中に乗せてお馬になって「いつもやってることだよ」と言ってました。 偉いお兄ちゃんですね。

難しい遊びは、おうちに帰ってからおとうさんやおかあさんにやってもらうのが宿題です。

 

たくさん体を使って遊んだら、みんなごろ~んと横になってひと休み。

先生が♪ととけっこう よがあけた♪とみんなを起こして回ります。

 

元の席に戻ったら、おとうさん絵本の読み聞かせです。

 

ねえとうさん―ぼくとうさんの子でうれしいよ (創作絵本)

 

とうさん熊が出かけている間は、かあさん熊にたくさん食べたいとわがままを言っていた熊の子。

とうさんが旅から帰ってきて、一緒に散歩に出かけます。

とうさん熊は、肩車をしたり、熊の子を背中に乗せて川で泳いだり、木を折って壊れた橋を直してくれます。

熊の子は「すごーい、とうさん!ぼく、とうさんの子でうれしいよ!」と感激します。

 

翌朝、熊の子は、とうさん熊と同じ量を欲しいとわがままは言いません。

「ぼくね、おとうさんになってからホットケーキを6枚食べるの!」

 

小さな子どもにとって、大きくて強いおとうさんは憧れです。

身体が大きくて力が強い必要はありません。

たくさん遊んであげて大きな存在感を示し、何があっても動じない強さ、いざとなったら何がなんでも家族を守る意志の強さがあれば、子どもが成長して反抗期になっても何も心配はいりません。

■子どもの時間■

 

後半、子どもは保護者と離れて、制作をしたり、絵本を読んだり遊んだりします。

大人がお話を聞く間は、自分のしたいことを見つけ、好きなように過ごします。

 

テーブルでは、お姉さん達の指導で制作です。

好きな絵を描いて、牛乳パックに貼ってもらって、ジャンプ台を作ります。

池に見立てた紙に睡蓮の葉っぱを貼って、動物に色を塗ってコマを作り、ジャンプ台に載せます。

ジャンプ台を押さえて、パッと離すと、コマが飛んでいきます。

うまく池に飛び込めたかな?

制作をしたくない子は、ブロックで遊んだり、折り紙を折ったり、別のお姉さんに絵本を読んでもらいます。

他の子の作品を見て、やっぱり作りたい、と言って作り出す子もいます。

 

それぞれ好きなことをしながら、初めて出会ったお友達とも「いれて」と言って一緒に遊んでいました。

 

■大人の時間■

 

大人は、「絵本も子育ても楽しい!」というタイトルで、お話と読み聞かせです。

 

子どもと遊ぶ、というと遊園地などのレジャー施設に行ったり、ままごとや公園でキャッチボールなどをして大人が遊んであげる、というイメージしかない保護者も多いでしょう。

子どもは、一緒に歩いたり、食事をしたり、お風呂に入ったり、という普段の生活で親と一緒に過ごせるだけでも十分嬉しいはずです。

 

普段からちょっとした触れ合いで信頼関係を築いておけば、どうしても手が離せない時「ちょっと待ってて」と言っても、「わかった、すぐ来てね」と子どもは納得します。

 

では、実際にはどんなことをしたら良いでしょうか?

子どもの頃から兄弟や近所の子と遊んできた保護者なら、いくらでも遊びを思いつくでしょうが、子どもとどう接したら良いかわからない、というおとうさんやおかあさんもいるでしょう。

言葉遊びの絵本や、遊びの絵本を紹介しながら、子どもとのちょっとした触れ合い方を紹介します。

 

あっちゃんあがつく―たべものあいうえお

 

あそぼうあそぼうおとうさん (かがくのとも傑作集―わいわいあそび)

 

あそぼうあそぼうおかあさん (かがくのとも傑作集 わいわいあそび)

子どもとの触れ合いは大切ですが、いずれは親も子どもも自立する必要があります。

ずっと一緒にいられるわけではないからこそ、一緒にいられる今を大切にし、いずれ離れる時のために、子ども自身の育つ力を信じ、過干渉にならないように見守りましょう。

 

 

ぼくにげちゃうよ (海外秀作絵本)

 

これは、親離れを始める頃に読みたい絵本です。

おかあさんから離れたい子ウサギが「ぼくにげちゃうよ」と言うと、おかあさんは「どこまででも追いかけますよ」と答えます。

逃げてもいいけど、いつでも守るからね、という、自立を見守りつつ、いざとなったら受け入れる愛情が感じられる絵本です。

ぼく おかあさんのこと…

 

大人の時間にも読み聞かせがあります。

このテーマ絵本は、男の子を持つおかあさんが好きになる絵本です。

 

絵本は、子どもだけのものではありません。

おとうさんやおかあさんにこそ読んでほしい絵本、子どもにはピンとこないけれど、親の方がジーンとくる絵本がたくさんあります。

また、“絵本を読んでもらう”という体験は、読んでもらう機会のない大人にとって、ただ目で追って読むのとは違う新たな発見や感動があります。

幼稚園、保育園、学校、家庭、地域など、公私共にたくさんの子どもに接してきた体験を元に、自分の失敗談も含め、子育てのこと、子どもの社会のトラブル、親子関係などのお話がありました。

実例を元にしたお話には、とても説得力があります。

絵本の読み聞かせを通した親子の話は、心に沁みます。

子どもは、身体的にも、心理的にも、能力的にも、一直線に成長するわけではありません。

上がったり下がったり、波型に少しずつ伸びていきます。

調子の良い時は遠くから見守り、落ち込んだ時は受け止めてあげてください。

親の自己満足で教育をするのではなく、子どもの個性を尊重し、子どもが自分で能力を伸ばしながら楽しく生きていく力をつけてあげてください。

 

親も、子どもの成長と共に新たな悩みが出てくるでしょう。後悔も出てくるでしょう。

子どもの頃の欲求不満で、大きくなってから、膝に乗ったり、体を摺り寄せてくる場合もあるかもしれません。

そんな時も、遅過ぎることはありません。黙って受け止めてあげてください。

 

今回、おとうさんとおかあさんをテーマにした絵本を大量にリストアップしましたが、その中から、ぜひ読んでいただきたい絵本を選んで配布資料の絵本リストを作成しました。

全部読み聞かせをしたり、内容をご紹介したいところですが、時間的に難しいのが残念です。

これからも、いろいろなテーマで絵本をご紹介しながら、親子関係、子どもの成長、親の成長などについて考えていきたいと思います。